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チップ原料と持続性

本日の主題「チップって、本当に継続して集まるの?」

仕事柄様々なバイオマス関連の施設を見せて頂く機会があるのですが、その都度我慢できず事業者の方々に上記の質問をしてしまいます。

再生可能エネルギーという大義名分があるとはいえ、結局ビジネスとしてやっているわけなので、そもそも燃料が集まらなかったら仕事として存続していくことはできません。

石油で言うならば、中東やアメリカから原油が流れてこないのと一緒ですからね。

先の震災からも分かるように、燃料の流通が止まるというのは、企業や経済にとって死活問題になりえる事だとも言えます。

 

では、話を戻して。

チップが本当に集まるだろうかという質問に対し、バイオマスの施設で働く方々のほとんどは口を揃えて「現状のところは」とおっしゃいます。(発電施設に関しては、100%です)

それはどうしてか。

流通のシステム(ハンドリング)が常に上手く稼働するとは限らないからです。

たとえば、伐採について視点を絞るとします。

当然ではありますが、山というのは下から上へと上っていきます。当たり前ですね。

つまり、森林の伐採についても里山から山頂へと徐々に切り開いていくという形になります。

伐採の初めは、大きな道路沿いの森林を整備していくわけですので、重機の乗り入れも容易にでき、わりかし順調に木材を切り開いていくことが出来るわけです。

が、しばらくすると、そうはいきません。車や重機が入っていけなくなります。いわゆる「山」の中へと侵入していくわけです。

そんな状況だからと言って諦めるわけにも行きませんので、林業家の方々は「林道」と呼ばれる林業用の道を山の中へと作っていきます。

これが非常に大変。正直大変なんて言葉もおこがましいくらいですが、本当に苛酷な作業です。1日で30m作業が進むかどうかというところ。つまり、道を切り開きながら伐採作業も行っていかなければいけないため、どんどんと作業効率も落ちていくわけです。

そのあたりの現場事情は、伐採をする上で絶対に避けては通れないポイントですので、山頂に近づいていくにつれ作業が進まない→丸太の伐採量も必然的に減る→チップが集まりにくくなる。という結論に至るわけです。

そんな状況を知っているからこそ、バイオマス施設の方々は「現状のところは」と回答をするのです。至極当然ですよね。

背景や裏側を知ることは、非常に大切です。

だからこそ、裏に潜んでいる事実を想像して進めていく必要性を感じます。

 

「物が動く」ってそんなに簡単なことじゃないよ、という話。